はじめに

 アイドルチャンピオン・オブ・ザ・フォーゴトンレルムズ(Idle Champions of the Forgotten Realms 以下、ICotFR)はCodename Entertainmentが権利を保有し、マルチプラットフォームで提供するD&D公式のストラテジーマネジメントゲームである。
 このページではICotFRの情報を網羅的には記さず、ゲーム初心者が必要とするであろう情報のみを要約して日本語で記す。


ゲームの目的

 ゲームの舞台はD&Dのフォーゴトン・レルム。冒険をこなしてキャンペーンを進めていくのがゲームの目的だ。
 チャンピオン(Champion)と呼ばれる冒険者を横スクロールするフィールドに配置すると、画面右から押し寄せる敵を自動で倒していく。敵を一定数倒すか敵が落とすクエストアイテムを規定数取得すると階層(Area)をクリアしたことになり、次の階層へと移る。各冒険で到達目標に設定された階層までクリアできればその冒険は完了(Compleate)となる。

 キャンペーンごとにマップが用意されており、マップには拠点が示されている。拠点内には一つ以上の冒険が設定されており、それらの冒険を全てクリアすると次の拠点に移動でき、新たな冒険に挑戦できるようになる。これを繰り返しキャンペーンを進める。

 チャンピオンをフィールドに出す際はキャンペーンごとに決まった隊列の場所にしか出せない。チャンピオンは各キャラごとに固有のアビリティを持っており、そのアビリティの効果範囲は様々だ。仲間の攻撃力を上昇させるアビリティを持っていたとしても、それが自分からみて1マス範囲内の仲間にかかるのか、あるいは前列にいる仲間全てにかかるのかといった具合に効果範囲が異なる。よって各チャンピオンの特性を把握した上で隊列に配置する必要がある。
 また、キャンペーンを進めるためには使用できるチャンピオンを増やし、装備を整え、数々の恩恵を得て強くしていかなければならない。一回の冒険でレベルを上げて育てたチャンピオンも次の冒険ではレベルがリセットされてLv1から再育成となる。冒険の都度、育てる必要があるのだ。
 どの冒険から攻略していくか。手持ちの戦力でクリアできるかを判断するメタ的な部分でも戦略が必要となる。

 各冒険では未クリアのエリアへ侵入した際に登場人物達の会話が発生することがある。現時点で日本語訳はないが、こういった会話からストーリーを楽しむこともできる。ただし、隊列に入れていなかったり未取得のチャンピオンも平気で会話に混ざってきたりするので、あくまで雰囲気づくり程度のものである。


ゲームの進め方

 このゲームはアイドル(Idle)の名前が付くように放置タイプのゲームだ。フィールドでチャンピオン達が戦い続けるのがゲームの正常状態であり、冒険を終わらせてマップ画面を開いている間は暫定的な待機状態となる。戦い続ければ続けるほど総合的な戦力が増すため、あまりマップで放置するのはよろしくない。ゲームを閉じている間も経過時間に応じて勝手に戦ってくれる仕様なので、常に何かしらの冒険をやっている状態にしておこう。
 ゲームを開始するとチュートリアルの冒険が始まる。ここでチャンピオンの雇用や配置の仕方、レベルアップの方法を習得できる。
 チュートリアル中に色々なボタンを押して何がどの機能なのかを覚えていこう。ショートカットもあるので画面下の?マークにマウスをポイントするか、設定画面のショートカットを見て覚えよう。最初のうちはメニューに並ぶアイコンは少ないが、機能を解放していくと増えていく。

 このゲームは取り返しのつかないような操作はほとんどない。全滅しても前の階層に戻されるだけだし、敵が強くてクリアできそうになければリトライすれば良い。
 そんなお気楽なゲームではあるものの例外的に注意すべき点もある。ショップのリアルマネーに関わる部分だ。円マークかドルマークの書いてあるアイテムを購入する際は慎重に。実際に代金がリアルマネーで請求される。宝石(Gem)マークはゲーム内通貨であり、これは時間をかければいくらでも増やせるので好きに消費してよい。
 それと、チャットは他プレイヤーに入力文字が飛んでしまい迷惑になるのでここも注意してほしい。チャット機能自体、誰も使っていないと思うので操作を覚える必要はないと思う。チャット機能は削除され、運営が管理するDiscordサーバーへのリンクに置き換わった。

 チュートリアルが終わったら、グランドツアー(A Grand Tour of the Sword Coast 以下、GT)という常設キャンペーンの冒険を順番にこなしていこう。キャンペーンはマップ画面の左側のバナーから選ぶことができる。最初はグランドツアーのマップが出ていると思う。他のキャンペーンのマップを眺めて想像を膨らませるも良し。
 冒険をクリアするとその冒険から派生したヴァリアントの冒険にも挑戦できるようになる。条件が厳しい物はすぐにやらなくてもよい。まずは行けそうなものからやっていき戦力を増やしていこう。

 冒険の選択欄には難易度(Difficulty)が色分けで表示されている。
 緑:簡単(Easy)
 黄:相当(Fair)
 橙:挑戦(Challenging)
 赤:無謀(Deadly)
 まずは緑のものから選んでいくと良いだろう。
 ただし、この難易度表示は後述する恩寵(Favor)の量のみを見て判断されている。実際の難易度というよりかは、その冒険に挑戦する際に恐らく必要であろう恩寵量であるかだけを見ている。試験をパスする実力があるかではなく、受験資格の年齢に達しているかだけを見てるような感じだ。
 その為、難易度表記が緑でも激ムズな冒険はちょこちょこある。逆に赤表記でも他のバフが十分にかかっていれば問題なくクリアできる場合もある。イベント開始直後のヴァリアントなんかは恩寵量がゼロなのでクリアが難しくなくても赤表示になったりする。
 難易度表示に振り回されず、実際にやってみて判断してほしい。


神々の恩寵にあずかろう

 恩寵(Favor)を理解することがこのゲームの序盤の肝だ。
 冒険をコンプリートすると、その冒険の種類に応じた神様から恩寵(Divine Favor)が得られる。貰える量は冒険中に敵を倒して得た金(Gold)の総量に比例する。なんとも現金な神様達だ。
 次の冒険では、これまでの冒険で得た恩寵の総量を元に、敵を倒した際の取得金額、正確にはGold発見率が決まる。発見率は画面左上の総取得金額の下に+表示されている部分で確認できる。
 例え冒険をクリアできなくても、それなりに階層を進めた状態でリセットすればその分だけ恩恵は増える。恩恵が増えれば同じ冒険をもう一度やって同じ階層まで行ったたとしても、得られる取得金額は前回より増える。よってチャンピオンをよりレベルアップして強化できるようになり、さらに奥の階層まで進められるようになるという仕組みだ。この繰り返しによって戦力アップを図っていくのがゲームの流れだ。
 冒険をリセットするたびにチャンピオン達のレベルは1に戻るが、恩寵は貯めれば貯めただけ増えていく。つまり神々からの恩寵こそが他の一般RPGでいうところの経験値に相当すると思って良い。


冒険の進め方

 簡単な冒険をやってクリア条件の階層まで到達したとしても、そこでコンプリートボタンを押してはいけない。まだ先まで潜りより多くの神々の恩寵を稼げそうであれば、積極的に奥まで進むべきだ。

 とは言え、無限に進むことはできない。
 まず、チャンピオンには成長の限界がある。レベルアップは際限なくできるのだが、レベルアップ時に取得できるアビリティやバフといったアッグレードボーナスは一定レベルのものまでしか実装されていない。この上限はソフトキャップ(Soft cap)と呼ばれている。
 ソフトキャップ以上にレベルを上げても微妙に攻撃力が増したかな?くらいの変化しかない。ちゃんとレベルアップ分は上がっているのだろうが、このゲームは敵に与えるダメージを掛け算で増やしていくタイプのゲームなのでレベルアップ単体のステータス上昇は微々たる違いでしかない。

 そんなチャンピオン達とは違い、敵は階層が増せば増すほど強くなる。ちゃんと計測した訳ではないが、恐らく一階層進むごとに敵のHPは20%か25%くらいづつ上がっているはず二倍になる。なので必ずどこかでそれ以上進めなくなる。この敵が最前列に溜まりそれ以上先へ進めない状態を俗に「スタックする」と言う。

 放置状態では敵に全滅させられるようになってしまったら、そこからは必殺技(Ultimate Attack、以下UA)を使ってさらに先を目指そう。
 UAはチャンピオンごとに固有のものがあり、これを使うと何かしら有利な効果が発動する。例えば人間の僧侶であるCelesteならFlame StrikeというUAのアビリティを持っている。効果はフィールドにいる敵一体がランダムに選ばれ、その周辺も含めて炎の滝が落ちてきてダメージを与えるというものだ。
 UAのダメージはBUDの値にUA自体の定数をかけて算出される。BUDはBase Ultimate Damageの略称で、チャンピオン達による通常攻撃で敵に与えた直近ダメージのうち一番高い値を元に計算される。
 このUAによる攻撃は大抵の通常攻撃より少し高めのダメージが出るようになっている。よってUAを使えば通常攻撃では倒せない敵でも倒せる場合が多々ある。

 UAを使いなんとかスタックせず敵を倒せる階層で粘って稼ぐのが良い。この稼ぎ行為はファーミング(Farming)と呼ばれている。
 目安としては20分程度スタック状態が続くならそこでの稼ぎは終えて再挑戦したほうが効率が良いと言われている。厳密に計算した人はいないだろうしケースバイケースなので、稼ぎをどこで辞めるのかは各自の判断だ。
 稼いで強くなってまた稼いで。まさにハック&スラッシュの世界だ。


マイルストーン

 キャンペーンは複数あるし、キャンペーン内の冒険やヴァリアントもいっぱいあって何から手をつければいいのやらという人のためにredditでマイルストーンが作られている。

reddit: Gaarawarr's New Player Reference: A Guided Tour

 これに沿ってやっていけばなんとかなるだろう。もちろんこれに従うかどうかは個人の自由だが、私はこの通りにやって楽させてもらった。と思ったら、私が見たときといくらか内容が変わっている。日々更新されているようだ。
 そして見てわかる通り全部英語だ。細かいところは翻訳ソフトに頼って貰うとして、ざっくりと要約する。

1.GTで「Underdeep Cartography」までやってDrizzitを入手する
2.ToAで「The Lost Love」までやってAzakaを入手する
3.ToAでヴァリアントをこなし、Dragonbaitを入手する
 多分ここらへんでパトロンシステムがアンロックされるだろうから、それもちょっとやる
4.DHを走り抜けてUlkoriaを入手する
5.GTのBaroviaマップをこなす
6.DiAを全部やる
7.ティアマト山の試練に挑戦し、ID以降にも手を出す

非公式常設キャンペーン(permanent campaign)略称

GT:「A Grand Tour of the Sword Coast」
ToA:「Tomb of Annihilation」
DH:「Waterdeep: Dragon Heist」
DiA:「Baldur's Gate: Descent into Avernus」
ID:「Icewind Dale: Rime of the Frostmaiden」
WL:「The Wild Beyond the Witchlight」
LoX:「Light of Xaryxis」
FW:「Turn of Fortune's Wheel」

 これを書いている2023年3月時点での要約だ。恐らく今後も更新されていくであろう。
 私がやった感想だと、おそらく6.くらいまではこの通りに進めて大丈夫だ。だが、バルダーズゲートキャンペーンでのReyaの入手はかなり厳しいものがあるのでそこで無理に足踏みせず、DiAのストーリーをこなした後は適当にやれるものをやるといったところか。多分、DiAの冒険に手をつけ始める頃には十分にシステムの理解はできていると思う。
 100ドル分のDLCを得ている状態でなので参考になるかわからないが、私は2021年の5月初旬から始めて3.のDragonbait取得までに一ヶ月半くらいかかっている。
 たとえマイルストーンに書かれている通りに進めなかったりキャラが入手できなくても落ち込まず、できる冒険をゆっくりこなしていけば良い。どうせいつかはイベントで強いキャラが手に入っていつの間にか強くなっているはずだから。
 このゲームは誰かと競争するものではない。個人のプレイスタイルでじっくり楽しめばよい。


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